3☆COLORS PRESENTS
The Public Performance Vol.1『見上げた空に見えたモノ』

横浜公演 2007年9月14日@横浜Thumbs up
長野公演 2008年1月4日 @長野 LIVE HALL X
大阪公演 2008年1月6日 @京橋 BERONICA

構成・演出・出演: 3☆COLORS
Special Support:THE☆ARTISTSTARS
Guitar / 細川"kessan"圭一
Bass / 塩崎喬浩
Drums&Percussion / 玉木正昭
Flute / 田部井雅世(横浜公演)
Violin / 佐藤拓史(長野・大阪公演)

協力: オフィスPSC/演劇集団キャラメルボックス/キューブ・リコモーション/Sugar Style Spirit/ネビュラプロジェクト
企画: 3☆COLORS 制作: マツモトモモコ


記念すべき、3☆COLORS一発目の公演。
そう、『Concept』に記されてある、あの下北沢事変(?)で、まさにその真っ只中に押さえちゃったライブハウスってやつが、この横浜Thumb upだ。
手探りと模索の蓄積、固定と流動を繰り返し、たまにしか姿を現さない光を頼りにどうにか前に進んだ公演だ。初めての事がしたくて、初めてのことばかり手を付けるのは、やはり想像以上に、尋常じゃない創造と作業だった。舞台上に置かれたひとつの籠。入場と同時に手渡される一枚の紙。
「あなたが今持ってきているモノの中で、一番大切なモノを教えてください。」
揺さぶられるイマジネーション。そこに記して、例の籠に入れろという、容赦のない客への指示。ライブハウスに、まるで遊園地のアトラクションのような高揚感が漂い、期待感の深まる中運ばれてくる酒と料理が、一日のクライマックスを告げる。突然始まるプロローグは、まさにトップアーティスト、玉木正昭が繰り広げるドラムプレイの世界。ローランドのHandSonic10を見事に操り、行き先不明の世界観をどんどん広めてゆく。
物語の始まりは、3方向から現れる関係性の見えない3人の登場から。3人に役名は存在しない。右手にカメラを持ち、ひたすらにシャッターを押している悠晃。気だるそうにタバコをふかしている三浦。缶ビールを片手に、ぐびぐびと飲んでいる西ノ園。確かに存在する3人。しかし、お互いが関わろうとせず。やがて、すれ違う3人が、それぞれ何やら口ずさみ始める。詩的な表現に見えるが、何やら追い求めているようにも聞こえる。ギター(細川“”kessan”圭一)とベース(塩崎喬浩)の繊細な音色が加わり、さらに捉えどころのない世界観が広がる。3人は、それぞれがそれぞれの方向へ、何かを探し始める。それはやがて、突然の神(玉木)のひと声により、借り物競走と化す。そう、「あなたが今持ってきているモノの中で、一番大切なモノを教えてください。」の正体がこれだ。
“大切なモノ”に飢えた男たちは、まるでハイエナのように籠の中からから“大切なモノ”が書かれた紙を取り出し、それを握り締めながら一目散に客席へと走り出す。次々と客が大切にしているものを、容赦なく借りていく。形振り構わず、猪突猛進。やがて、男たちの目に映る一人の女性(田部井雅世 。まさしく彼女は、男たちにとって探し求めていた“大切なモノ”の象徴だった。歩み寄る男たち。突然彼女の姿が消え、届きそうだった男たちは、互いにクラッシュする。
悠晃が彼女の手を引いて、立ち去る残像。そこに伏してしまった三浦と西ノ園。随分と時間が経って目を覚ました二人は、自分たちの人生にとって、重要な場所に重要な事柄を解決しに行くところだったことを明かし、自分の目の前にいる人間によって寸断されてしまったことに憤慨し、お互いがお互いを罵る展開に。やがて体を張った争いとなり、ライブハウスのステージで、壮大なアクションが繰り広げられる。楽器よる生の効果音。それはやがて、打ち合わせのない、楽器とアクションとの闘いに変化していく。ヘトヘトになった二人は、その場で注文した酒をあおりながら、次第にお互いの心を開いていく。
ここもシナリオの存在しない展開。つまり、先程客から借りてきた“大切なモノ”を手に取りながら、身の上を吐露していくという、まったく先の見えない二人芝居だ。最後はお互いが同じような境遇でありながら、根本的にまったく逆の生き方を選んでいく。
「夢を捨てて、現実を見つけた俺。」 
「現実を捨てて、夢を見つけた俺。」
まるで、互いのこれからにエールを贈るような餞別の言葉を投げかけ合い、それぞれ別の道を歩き始める。先程、手を引いて立ち去った二人、悠晃と謎の女性(田部井雅世)が現れる。どうやら、以前付き合っていたであろう二人。登場シーンで悠晃が握り締めていた写真。一度は破り捨てた写真を、今改めて想いを馳せながら見つめる。様々な過去の出来事。彼女との売り言葉に買い言葉的なやりとり。思わず出てしまった、彼女を傷付けてしまうような言動。
「アナタは、私のことを好きか嫌いかなんてどうでもよくて、自分の気持ちを押し付けて、私の気持ちを勝手に決め付けてんのよ。」
「じゃあそう言うお前はどうなんだよ!お前は、俺と恋愛してるんじゃなくて、お前の中の俺と恋愛してるだけなんじゃないのか?」
「私の中の?」
「・・・・・、俺は、ココにいるんだよ。」
「・・・・・。」
降りしきる雨の中、彼女がおもむろに奏でるフルートの音色が、悠晃のポッカリ空いた心に響き渡る。(実は、田部井はフルート奏者。)
悠晃、想いが溢れ出し、歌い始める。(♪『Just in my Love』)
“大切なモノ”とは、一体何であるか。何かを感じながら、それが何であるか分かりかけた3人は、暗中模索の旅の果てに同じ場所に辿り着き、そっと光が差し込んだ空を見上げのだった。その時彼らが口ずさんだのは、まさに祈りの歌だった。(♪『祈り』)
“願いはいつも 風に乗りあの彼方へ かなうその日を そらだけが知るという 祈り いつも 胸に…”
男たちを照らすその光はやがて、彼らの未来を射す希望の光に見えて・・・
何もない原っぱから、西ノ園の楽曲にある詩を頼りに芽吹いた、瞬間的なドラマたち。それらは物語というより、まさに登場した男たちの最後に見上げた空が、気付きもしなかった忘れかけた大切な何かを 生きるものたち全てに語りかけてくれたに違いない。楽曲から芝居が構築され、またそこに新たな楽曲が加わっていくという画期的なプロセスは、3人のみならず、THE☆ARTISTARSのアーティスト魂をも焚きつけ、ここに新たなコラボレーションエンターテイメントが見事誕生することとなった。
こうして、手探りだったこの第一回目のステージングの一つ一つが、やがて3☆COLORSの様々なスタイルとして確立に至ったことは、言うまでもない。

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